文部科学大臣賞(中学生部門)
『ケチは地球を救う』


千葉県

八千代松陰中学校2年生

髙橋 未菜/Mina Takahashi

  

 二年前の秋から、祖母が家に来て、一緒に住むことになった。そして、この時を境に、家族の生活が大きく変わり始めた。

私の家では、両親共、一日フルタイムで働いている。母が忙しい時には、帰って来るのが遅く、外食になる時もある。それはそれでいろいろな物が食べられるので、私としてはいやではなかったけれど、祖母が来てからは学校から帰ると、既に夕飯はできていて、すぐに食べられる状況になっていた。

もっと変わったのは「おやつ」だ。私はチョコレートやポテトチップなどのお菓子が大好きだ。母の買い物に付いていった時には、必ず買ってもらっている。ところが、祖母はお菓子を買わない。一番よく出るのは、ふかしいもだ。ただふかしただけのさつまいもだが、お腹が空いている時のおいもの味は甘くて格別だ。祖母は、さつまいもが安い時に買っておいて、ふかしいもだけでなく、大学いもやスイートポテトなど、一つの材料でいろいろなものを作る。祖母が子どもの時は戦争で食べ物が少なく、米さえも満足に食べられなかったそうだ。祖母は米の一粒だって無駄にしない。

冷蔵庫の中もスッキリした。以前は食べ切れずに捨ててしまったものもあったようだが、今ではきれいに使い切っている。

 このように食べ物を大切にすることで、私の家ではゴミが少なくなった。ちなみにごみ袋も一枚二十五円ぐらいするが、祖母は母の二倍は袋に詰めて出しているので、ゴミ袋の節約になっている。一人一人がごみを減らす意識は「ちりも積もれば山となる」の言葉通り、地球の環境にはやさしいはずだ。

もう一つ、祖母は電気の無駄使いにうるさい。夏のよっぽど暑い日、そして、冬のよっぽど寒い日以外は冷房と暖房をつけない。窓を開けて、風通しをよくして涼しくする工夫をしている。冬は服の着方を工夫して、寒さを感じないようにしている。

 また、掃除の時に掃除機をあまり使わない。ほうきで掃いて、雑巾でふいている。その方が床の汚れもきれいにとれるそうだ。祖母が来てから家の中がきれいになった。

 そして、私達がつけっ放しにしている電気を片っぱしから消していく。初めは、めんどくさいと感じていたが、二年経った今は、ほとんど当たり前になっている。

ちなみに、水の節約もすごい。お風呂の残り湯は当たり前で、使い回しのできる水は、用途を工夫して、上手に節約している。

 初めは、節約なんて、ケチくさいなぁと思っていた自分が少しずつ変化している。祖母の全ての節約は、物を大切にしていることにつながっている。一人でも多くの人が、無駄使いをしないケチになれば、限りある資源を守ることになり、環境問題の解決に結びつくはずだ。節約(ケチ)は地球を救う。