2007年度地球こどもクラブ賞(小学生部門)〜ぼくのホタルが飛び立つ日

ぼくはホタルを育てています。じいちゃんの無農薬の田んぼにやってきた、30年ぶりのホタルを見てから、いつか自分でも育ててみたいと思っていました。

去年の夏は伊奈町の「ホタルの会」の方が育てたホタルの放流を見にいきました。今はもう亡くなったじいちゃんと見たホタルを思い出しました。それからしばらくして、「ホタルの会」の方が5ミリくらいの小さなホタルの幼虫を分けてくれました。

前に図鑑で見たホタルの幼虫は、真っ黒でげじげじみたいにいくつもの節があって
「こんなこわい虫は、とても育てられない。」と思っていました。

でも、実際に見たホタルは、予想よりずっと小さくて、「かわいいなあ。」と思いました。
毎日ぼくはケースの中のホタルを観察しています。水がにごってきたら、一晩置いた水道水と交かんして、えさになるカワニナという貝をあげています。大きさも2倍くらいになって、1センチをこえました。

ホタルはとても弱い生き物で、水道水の中の塩素や、部屋の芳香剤で全めつしてしまうこともあると教えてもらいました。

人間にとって便利なことが、他の生き物にとっては毒になることもあるんだと思いました。
育ててみておどろいたことは、ホタルは肉食だということです。カワニナという小さな巻貝をあげて次の日見てみると、カワニナに何びきものホタルの幼虫がへばりついていて、もう1日たつと、貝の中はからっぽになっています。・・・「ちょっとこわいな。」

こんな小さくて、成虫になったら、きれいに光って飛ぶ虫なのに、カワニナを食べている。そしてカワニナは野菜や草を食べます。

地球には「食べる・食べられる」の関係があることを、ぼくは初めて自分の目で見ました。
ホタルはきれいな水のシンボルなのだと思います。肉食の生き物が生きられるようだと、本当に豊かな生態系と言うそうです。

ホタルを育てるようになって、ぼくの家では芳香剤を使うのを止めました。5月になって外階段に虫がたくさん発生して、殺虫スプレーをまこうと思ったけれど、その空気は、(いつかホタルのところまで来るかもしれない)・・・と、まくのは止めました。

地球の生き物は「みんなつながっている」ことが、ホタルを育ててみて分かりました。

この夏、ホタルが成虫になって、美しく光りながら飛び立つ日がとても楽しみです。

ホタルもカワニナも人間も、みんな地球の仲間です。

この美しい地球を、世界の人たちと力を合わせて、守っていこうと思います。

2007年 地球こどもクラブ賞(小学生部門)
茨城県 小学校5年 正田 真悟