内閣総理大臣賞
『生きとし生けるものに無駄は無い』

4月 27th, 2011 | By | Category: 第20回/2010年度入賞作品

 

静岡県

西遠女子学園中学校2年生

中道 未起/Miki Nakamichi

 

 「草はビニールの袋に入れておくと土になるよ。」

と草取りをしていた私と母に教えてくれた、近所のおばあちゃんがいた。

「えっ、草が土になるの。」

土ができたらプランターで花を育てる時に使えると思い、草取りをした草をビニールの買い物袋にいっぱい詰め込み、しばり目を下にして畑のすみに置いた。しばり目を下にするのは、雨水が中に入り草がぐちゃぐちゃになるのを防ぐためである。

 私は半年くらいで『土』ができるのだろうと思った。半年がたった二月に袋を開けてみると、草の繊維があみ目のようになって湿っていた。母が

「これは腐葉土みたいだね。」

と言った。私は地面のような土になると思っていたので、どうして土にならなかったのか、何が悪かったのか疑問に思った。そこで近所の農家のおじさんにどうして土にならないのか聞いてみることにした。

 「草が土になるのに必要な条件は、微生物と湿り気。微生物が土の中にいっぱいいて、草を食べ分解していくから土になる。草をビニール袋に入れておくと良い状態が続くから、半年位で腐葉土になるんだよ。」

と教えてくれた。そしておじさんは、

「枯れ葉が積もると葉の下で微生物が育ち、腐葉土から土に近い状態になる。これを何回も何回もくり返し、何万年という長い時間をかけると土(大地)となる。」

という話もしてくれた。

 母と私で作った腐葉土は失敗ではなく、土になる前の状態ということに気付いた。母はできた腐葉土を今年の夏の花を植えるのに使うとはりきっている。

 私たちは自然から与えられた土で作物をつくり、それをいただいて暮らしている。ちょっと邪魔だと思っていた草や枯れ葉は私たちのためになっていることに気付いた。小学校の時、

「“いただきます”と手を合わせるのは、生きている植物や動物の命をいただいているからだ。」

と話してくれたおじさんの言葉を思い出す。その時は植物の命をいただくという意味は分からなかった。しかし学年が進み、このようなことを調べたため、植物がどのようなはたらきをしているのか分かった。植物は光合成をし、酸素を出している。つまり私たちは、植物から酸素をいただいているのだ。今回の活動では草が姿を変えたため、私たちの生活に必要な腐葉土になった。腐葉土はゴミだと思えばゴミになってしまう。しかし腐葉土に種をまけば、芽は出る。だから、自然のものに無駄はないのだ。これから、自然の力に感謝の気持ちを忘れずに生きていきたい。

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