地球こどもクラブ賞
『いのちはみんな仲間』

 

東京都
中野区立大和小学校6年生

田嶋 周造/Syuzo Tajima

 

 ぼくは自然や生き物大好きで、特に「高尾の森」と「屋久島のウミガメ」に興味があり、自分なりに活動や学習をしています。

 ぼくの住む東京の高尾山で行われている「高尾の森親子森林体験スクール」に通い始めて三年目になります。人工林を本来の森のすがたに戻すために、植樹や下草刈り、間伐なども行います。四月に、年に一度の植樹祭りがありました。クワを持って山に入り、すべり落ちそうな急斜面でヤマザクラやモミジなどの苗をたくさん植えました。この苗が大きな木に育つのは五十年以上かかると聞いておどろきましたが、ずっと成長を見守って、いつか桜の花が満開に咲くのを見たいなと思いました。

 屋久島には、五才の時から毎年夏休みに行っています。産卵のために上陸するウミガメが日本一多い「いなか浜」という場所でボランティアに参加し、調査の手伝いや観察をしました。天の川や流れ星が見えるほどきれいな空の下で、母ガメは「フゥーッ」と大きな息をはきながら、卵を産んでいました。砂浜に小さな黒いつぶがあると思ったらふ化した子ガメの頭で、必死ではい上がり海の光の方へ歩いていきました。その様子に「いのちってたくましい すごいな!」と感動しました。

 ある講演会で、「山は海の恋人」という言葉を知りました。たくさんの生き物がくらし、豊かな土じょうを持つ森や山から、川を通って海へも栄養が届くそうです。ぼくが東京で森づくりのためにしていることが、屋久島の海へもつながり、よい影響を与えるのだと思いとてもうれしくなりました。

 でも、つながりが悪い影響を与えてしまうこともあります。去年の夏休みに参加した研究合宿でこんな体験をしました。田んぼで浮いているアメンボが、用水路の水だと浮くことができずに沈んで死んでしまったため水質調査をしたところ、用水路の水には生活排水の洗剤の成分がまじっていて、アメンボの足の先についている“水面に浮くための油分”を落としてしまったと予測されたのです。また、ぼくの好きなウミガメも地球温暖化によって絶滅が心配されています。つまり人間が起こした環境問題が、他の生物と悪いつながりをもってしまっているのです。

 よいつながりを強め、悪いつながりを減らすにはどうすればよいのでしょうか。例えば自分の好きな生き物の環境を知り、どうすればそれを守れるか考えたり、地球をよごさないように工夫して暮らすことも大切です。いのちはみんな仲間です。ぼくたち子供も、すばらしい仲間を守れるようになりたいです。

 ぼくの夢は、宇宙飛行士になって月から地球をながめることです。その時まで美しい自然や生物を守り、今よりもっと地球がきれいになるように関心を持ち努力を続けていきたいです。