環境大臣賞(小学生部門)
『身近な自然に目を向けて』


宮城県

仙台市立吉成小学校5年生

鈴木 美紀/Minori Suzuki

  

 カエルの赤ちゃんがいなくなった! 毎年、梅雨になると、近くの池から沼から、それはたくさんのカエルの赤ちゃんが、外の世界へ飛び出した。道路にも玄関先にも庭にも、ツルッとした黒い小さい赤ちゃんでびっちり。そのすき間をぬって、踏まないで歩く方が大変なくらいだった。

 わたしは、ずっとカエルを間近で見守ってきた。大きなヒキガエル結こんし、卵を産み、おたまじゃくしになり、池から出て行く一生を、だ。学校帰りに池に寄り、ワクワクしながら巣立ちの時を待っていた。だから、雨のパチャパチャはずむ音と共に、赤ちゃんが足元でピョコピョコはねるのを見るのが、たまらなく楽しかった。

 でも、最近は赤ちゃんをまともに見ていない。親ガエルも見かけはするが、以前ほど見かけない。草村に、植木ばちの下に、この土地の主のようなカエルが、でんと居座っていたのに。

 近所のその小さな池は、おたまじゃくしのいい住み家なっていた。でも、ここ数年は池にゴミや食べ物を捨てる人も多いからか、すぐに水が汚れてくさくなってしまう。おまけに暖かい日が続くと、こんな浅い池なんてたちまち干からびてしまうのだ。

 反対方向にある大きく深い沼の方も、おたまじゃくしは少なくなっている。どうやら無責任なだれかが、ブラックバスを放してしまったらしい。『ブラックバスをつかまえて、元の沼にもどそう』という運動はあったらしい。が、ブラックバスの強さと生育に追いつけず、駆除は難しいそうだ。

 身近な生態系さえ壊れている。エアコン、シャワーが普及し、車が必需品の世の中、地球温暖化による環境破壊が、じわじわと押し寄せているのだ。また、手強いよそ者の侵入が、温暖化でただでさえもろくなった地球に、キバをむいているのだ。

 この現実に心を寄せ、責任を持たなければ地球を救うことはできない。CO2削減などに関心を持つことはもちろん、リサイクルやゴミをなくす努力も必要だ。自然を汚し、傷つける行為、人間のエゴによる自然破壊について、もっと真剣に向き合わなければならないと思う。外国のペットを簡単に手に入れ、簡単に捨てるなんて、もってのほかである。人間の自己中心的で思い上がった態度が、痛々しい地を作り上げてしまったのだ。

 さあ、まずは身近な自然に目を向けよう。一人一人が最低限のマナーと責任を持てば、地球は元気を取りもどすはずだもの。小さな心がけもたくさん集まれば、きっと大きな力になる。そう信じて、この星の未来をみんなで考え、行動していこう。青くて美しい地球は、この星に生きる全ての生き物のもの。かけがえのない、たった一つの星なのだから。