2002年度特別賞(中学生部門)木を救うために再生紙を使おう

 私は4歳のころから、マンガを描くのが好きです。ママもパパも両方とも教師です。両親は、いつも片側に印刷された使用済みの紙の束を持ち帰ってきました。裏側はまっしろで、私はいつもそれに空想のマンガを描いていました。その魅惑的なマンガを描いた後、私はいつもそれを自分のミニアートギャラリーと呼んでいる部屋の戸棚にしまっていました。毎月、ママは、私のミニアートギャラリーを忘れずに掃除をします。私の戸棚から紙を全部取り出して、ビニール袋に詰めて、古紙を集めに私の家にやってくる老人に売っていました。

私は、 そのおじいさんのしていることが気になりました。あの人はなぜこんな紙が欲しいんだろう? 多分彼は、私のマンガを売るのを助けてくれているんだろうくらいに私は考えていました。

何年かが経ち、私は小学校に通いだしました。その頃になって、私は、自分は茶色みを帯びた古紙、それも表が印刷された紙、それの裏に自分の絵を描いていたのに、ほとんどのクラスメートはスケッチブックを持っていたことを知りました。

私の紙は、あなたのよりきれいだし、大きいよ。

あなたは使い古しの紙にしか絵を描くことが出来ないんだね。 

あー。

友だちはいつも私をからかい、私はよく泣きました。 ある日、私は、ついに我慢できなくなって、スケッチブックを買ってくれるようにパパに頼みました。

「パパ、私はパパたちが持って帰ってくる紙にもう絵を描きたくない。私は新品のスケッチブックが欲しいの!」私は目に涙をためてお願いしました。

「あのね、この紙は全部キコリさんが切り倒した木から出来ているので、節約しなければいけないんだよ。」手で私の涙をふきながら、パパは言いました。「え、木から?紙は木から作られているの?そんな、できっこないよ。」私は、ためらいました。頭が混乱してしまいました。すると、パパが、「そうだよ、木からなんだよ。」と言いました。「世界中の人間が木を切り倒しているんだ。紙にするために毎日多くの木を私たちは壊しているんだよ。あのね、木だけが、私たちの世界を緑にできるんだ。美しい世界にできる唯一のものなんだがね! だから、ママはいつもおまえの描いた絵をおじいさんに売っていたんだよ。そうすればその紙は再生されて、また使われるからね。だからこそ、お父さんはおまえに使いふるした紙の使われていない側でマンガを描いて欲しかったんだよ。それが古紙を救う方法だからなんだよ、分かるかな?」

私はとっても驚きました。そして、両親がどうして私にスケッチブックに絵を描かせなかったのかが分かって、何度もうなずいてしまいました。

それ以来、私は、学校でもバス停でも、どこにいても紙を集めました。私は床からいつもきれいな紙を拾いあげてポケットにおしこんだり、どこにでも持参しているビニール袋の中に入れました。人々は、地面から紙を拾って、ポケットにねじ込んでいる私をいつも物珍しそうに見ていました。

もちろん、私はこれらの紙を全てくず屋のおじいさんに売って、お金を少し稼ぎましだ。

「多分、このようにすれば、枕ケースにしまってある歯を歯の妖精と交換するのを待つ必要はないかもしれない。」 私は子供っぽくそう考えました。

それ以外にも、私はクラスメートに紙を捨てないで、古い紙はリサイクルするために売るように忠告しました。

家では、私は数学の計算をするのに古いカレンダーの裏側を使っています。両親は、私がリサイクル用に新聞紙、箱、ボール紙、それに封筒さえ集めているのを見て、うれしそうに、幸福そうにしていました。

私はまだはっきりと覚えています。ある日、パパは、自分の生徒の試験用に多くの紙にコピーをしていました。そして残りの紙をテーブルの上においておいたのです。そんなこととは知らずに、私の弟がそのテスト用紙を取って、裏側に彼の好きなスーパーマンを描きだした。パパは困った顔をして、弟に、この紙はテスト用紙で、絵を描くことはできないんだよと言いました。弟は、「そのテスト用紙、リサイクルに出したいから採点終ったら僕にちょうだい?」とお願いしました。私たちはこの言葉を聞いて、笑いをこらえるのが大変でした。 パパは、いやはやというように微笑みながら頭を何度もふっていました。

現在にいたるまで、私の兄弟と私はまだ使用済みの紙を集める習慣が残っています。私は、木を切るのを最小限にするために、人は紙を節約し、使い終わったら、リサイクルに出すことを望みます。そうすれば、私たちの惑星はいつまでも、緑色で、清潔で、美しくいられるからです。

2002年 特別賞(中学生部門)
マレーシア セコラア・メネンガ・ケバンサーン中学校 3年 ギアム・カイ・リン